2019/11/25 00:09

土や砂で高層集合住宅を作るのが得意な白アリ組は、無言の職人集団である。
寡黙でもくもくと仕事を行うさまに憧れる子供も多かったが、実はお尻から出すもので香り言葉を使っていることが最近わかった。
その会話内容は雰囲気が暗く、ネガティブなものがほとんどだったため、子供たちはがっかりしたが、当人たちはまるで気にする様子はない。
「疲れた…」「重くてしんどい…」「遠い…」などお互い愚痴り合いながら作業をしていることが多いのだそうだ。

だが一晩で相当な大きさの集合住宅を作れるうえに、原料はどこにでもある土や砂であるため、災害時の避難シェルターの建築にも駆り出される。
土や砂でできているにも関わらずきれいに磨き上げられた床や壁は、触れてしまっても汚れが服につくことはない。

さらに驚くことに、元が土や砂であるにも関わらず、壁や階段などを食べることができる。
シロアリ組が砂を固める時に使用する接着剤の影響で、お菓子のような甘い味になるのだという。
食感は元の土や砂の性質や接着剤の量によって違うため、地域差や階段と壁などの場所によってサクサクだったりもっちりだったりする。
ただ栄養価はほとんどないため、空腹を満たすことはできても非常食にはなりえない。
それでも災害発生時のデザートとしてストレスを軽減させることには効果的で、建築速度と資材搬入の必要がないことなどから、大災害の時に重宝する。