2019/11/10 23:27

小さい頃キツネの村で育ったこの職人老キツネには、コンプレックスがあった。
村には変化ができるキツネとできないキツネがおり、この職人キツネはできないキツネだった。
変化に強烈に憧れており、大きくなればできるものと思っていたが、ある時両親に、変化はできないと告げられショックを受ける。

それでも諦められなかったこのキツネは、なんとかして変化できるようにならないか試行錯誤し、別の方法での変化を模索した。
様々な勉強をし、発明を繰り返してれば、自然と機械の街へたどり着く。

ここには様々な職人が腕をふるい、日々色々な新しい物が生まれていた。
そんな生活に刺激を受けて、より一層発明に明け暮れる日々を送る。

この職人キツネが作り出したものは、姿を一時的に消せる薬や布、目の前にいる者の顔を投影するマスク、一見鏡だが任意の場所を映し出せる人口蜃気楼器などなど。

その中でも最大の仕事は、いたずらキツネ団の本拠地である飛行船を作ったことである。
さまざまな趣向をこらしたその飛行船は、船内にも様々なイタズラ仕掛けに満ち、おそらく全部発見する前に船が壊れるだろうと言われるほど様々な仕掛けがある。

発明品のほとんどもいたずらキツネ団に使用されており、団長からの信頼も厚い。