2019/10/07 12:34

一つの巨大な岩山に採掘用の洞窟が掘られ、いつしか洞窟の中で生活できる環境を整えた結果、鉱物の街が出来上がった。街の大半は山の洞窟の中にあり、施設や住居、宿泊施設も岩山の中である。

観光客や他の街の職人向けの場所は照明で明るくなっているが
坑道の多くは、岩の隙間からほのかに光る鉱石の明かりで照らされている程度で薄暗く、場所によっては真っ暗な上、道も迷路のように入り組んでいるため、長く住む者以外は入れる場所が制限されている。

他の山でも通常の鉱石は採れるが、ここにだけ街ができたのには訳がある。
それは、通常は形成されるまで途方もない時間がかかる鉱物が、ここでは日々新たに生み出され続けているからである。
莫大な埋蔵量がある土地ではあるが、世界の鉱物の大半がここで産出される主な理由が、最深部の中心に住んでいる生きたマグマの通称「マグさん」。

巨大な溶岩とマグマの塊で、この街のあらゆる鉱石や鉱石生物の生みの親。
あらゆるものを溶かし、混ぜこめ、圧し、冷やし、その気分や体調などによって日々街中を鉱石で満たしている。

また、様々な雨の街や植物の街の影響で様々な成分が岩石に染み込むことで、
熱や光を発したり音や感情を保存する鉱石が多く発掘されるのも、街を形作る理由となっている。
これらは生活用品として加工され、世界中で様々な形で活用されている。

街中に張り巡らさせたトロッコが主な移動手段。
トロッコにエンジンがついていて、加速、減速とポイント切り替えが行える。
ポイント切り替えがわざと煩雑になっている箇所があり、誤って深部に入ってしまわないように配慮されている。

太陽の光が苦手な者、もともと目があまりよくない者、鉱石や探掘が好きな者以外は住むのが難しい街であるため、移住者は少なく、そのため住人同士の結束が強い街でもある。