2022/02/03 21:16
猫の名前は「サカナ」で魚の名前は「ネコ」です。
書いている私も頭がこんがらがってくるので、ここでは猫は猫、魚は魚と書きますね。
魚は普段池の中で暮らしています。
池の中の景色はいつも同じでとっても退屈でした。
海の街にはフィッシュカーという魚を乗せて陸を走る車があるらしいのですが、
魚はお目にかかる機会がありません。
毎日退屈している魚のところに猫が現れました。
「こんにちは」と魚に声をかけてきます。
「こんにちは。陸の世界は楽しいかい?池の中は退屈だよ。」と魚は猫に愚痴をこぼしました。
すると猫は魚に「散歩に連れて行ってあげる」と言いました。
魚には意味が分かりませんでした。
実はこの猫は魚を陸でも呼吸ができるようにする力がありました。
猫の耳に秘密があります。
お魚が猫の耳をパクッとくわえると陸でも呼吸ができるようになるのです。
猫にもその理由や体の構造は分かっていません。
長い時間陸にいる場合は、定期的に耳をパクッとする必要があります。
猫は自分の耳を池にいる魚に向けました。
魚は言われるがまま猫の耳をパクッとくわえました。すると水から顔を出していても呼吸ができるようになりました。
魚が水から出ても呼吸ができることを確認すると、猫は池に手を入れて魚をヨイショと持ち上げました。魚はびっくりしましたが、体が乾いても苦しくありません。
猫は小脇に魚を抱えて散歩に出かけました。
魚は初めて見る池の外の世界に感動しています。
世界は美しい…
と魚が感動していると猫が歩くのをやめました。
どうやら小脇に魚を抱えているのは疲れるようです。
猫は魚に提案しました。
「君をかぶってもいいいかい?」
魚は驚きましたが、快く了承しました。
魚は大きな口を開けて猫の頭をぱくっとくわえました。
陸にいる間は定期的に猫の耳をくわえなければならないので効率的です。
猫も両手が自由になり歩く速度も早くなりました。
外の美しい景色はどんどん流れていきます。
魚は感動しっぱなしです。
ふたりはすっかり仲良くなり、さんぽがはかどります。
ふたりはどこまでいくのでしょう。
どんどんどんどん進みます。
そんな猫のサカナと魚のネコの話。