2019/11/02 10:47

液体の街では、他の街から来た人が街を楽しめるように、浜辺から海中へ続く透明なチューブの通路がある。
海中や海底の散歩、様々なお店にも行ける他、水中でのショーも楽しめる。

チューブが届かない沖や深海に向けて、アンモナイトやクジラ、オニイトマキエイやジンベエザメに観覧席を取り付けた深海クルーズも頻繁に行われている。
深海にも店はあるが観光客が入れるお店はほとんどなく、分厚い窓から野性の深海魚を眺められる深海カフェ以外は閑散としている。

河口付近では、鉱物の街や植物の街の様々な成分が溶け出した川の水がたまるため、いつも不思議な液体が生まれている。
海中にそれが広がらぬよう浄水される他、どのような性質を持った液体なのか毎日用に調査が行われ、体に害がなく面白い性質を持っている場合は観光客にも開放される。

例えば周囲の水の色が気分によって変わったり、特定の物が小さく見えたり大きく見える、固体と液体の間のような不思議な感触の半液体、音が反響しとてもキレイな響きを持つ水、川の上流にしか住まない鳥達の鳴く声が聞こえる、一時的に近くにいる人間と視界や触覚が入れ替わるなど、その時々で全く違う効果が表れる。
二度と同じ体験ができないかもしれないと、液体の街に遊びに来た人は必ず立ち寄る人気の観光スポットとなっている。