2019/10/08 23:58

半球のてっぺんに避雷針が立っていて、天井に窓があり、家にいながらにして空模様を確認できる家が多い。

建物の壁は硬質なゴム、地球でいうエボナイトと作られている。
元は黒い壁だったが、経年劣化で白くなった壁の家が大半である。
また、蓄電管と電力計、配電盤、ヒューズ、暖房用のセンサーはどの家にもついている。

雷採集塔や他の避雷針から届いた電気を蓄電管に貯めて、生活用水の浄化や給湯、照明、暖房、洗濯に電気が使われる。
電線はごく浅い地下にあり、道路からでも電気が走っている様子が見える。

電気分解による洗濯と電熱線による乾燥が行える洗濯乾燥機、電熱線による暖房、電熱による給湯器と
好きな色、輝度に変えられる照明器具がどこの家にもついている。
住人の大半は雷採集に関する仕事についており、その道具の補修に使う工具も電動のものがほとんどである。

他の街は鉱物の街から取れる熱を貯める鉱石や、植物の街のひかりキノコなどを照明にしているが
この街では白熱灯が用いられている。他の街での電気の利用はまだあまり進んでいない。
代替手段がある街では、電気という勝手のわからないエネルギーを使う必要がないため
雷の街で初めて電気に感動して自分の街に持ち帰っても、有効な使い道が少ないのである。

現在研究の街では電気と他の街の技術を組み合わせて、より便利なものが作れないかという研究が盛んに行われている。