2019/10/07 12:35
液体の街や雨の街で生まれた雲がコの字型の山脈に止められてたまり、雷雲が発生し続ける場所の真下に、雷の街がある。
街中にある避雷針に落ちた雷は、街中に分散させることで命の危険がない程度まで弱めているほか、雷生物の食事として活用される。
雷を分散する経路がいたるところに張り巡らされ、雷生物も多く住む街なので、絶縁体で作られた服を着ていないとしょっちゅうビリビリする。
自ら電気を発する生物や、比較的電気に強い生物、また、電気そのものの雷生物が主な住民で、他の街から移住してくる者は滅多にいない。
雷の街の目的は主に2つ。
雷によって生まれる電力を採集し、エネルギーとして活用すること。
そして、雷雲が他の街に被害を出さぬよう管理することである。
液体の街で発生した雲は水蒸気の塊だが、雨の街で生まれた雲は気体と固体の中間のもので、乗ることもできる。
また、発生する雷にも2種類あり、摩擦により発生する雷と、小さな雷生物が発生しているものがある。
その結果、雷の街には4種類の雲がある。
1.電気を含まない水蒸気の塊
2.電気を含まないが乗れる雲
3.雷生物が入ったが水蒸気の塊の雷雲
4.雷生物が入った上に乗れる雷雲(この雲だけ意思があり群れる性質がある)
このうち1~3は、ほかの街に流れても特に問題はないのだが、4番の雲だけはとても危険で
雨の街からきた雲には雨粒お化け乗っているため、その雨粒お化けも電気を帯びてしまう。
そして、そのままどこかの街い降り注ぐ。つまり、雷が雨となって降ってくることになる。
それを防ぐため、4番の雷雲が他の街に行かないよう見張る仕事がある。
羊飼いのように雷雲の群れを先導し、雷ご飯を食べさせて、持ちすぎた電気を採集する「雷飼い」である。
また、雲の扱う技術が発達していて、雨の街からくる電気を含まないが乗れる雲を
任意の大きさにちぎって保存する、その雲に好きな量だけ電気を帯びさせるなどの独自の技術を持っている。
その技術を使って、採集してきた雷をミニ雷雲(乗れる雲に電気を持たせたもの)にし、それを瓶詰にする。
そうすることで、短期間だが電力が保存でき、また持ち運びも可能なため、他の街で機械式動力や通信機器用のエネルギーとして活用されている。
雷採集は主に雷採集塔とその周辺にある大きな雷を発生させる雷雲のそばで行われるが
その仕事にはランクがある。
1ランク 雷採集所での端雷の採集
2ランク 雷雲近くの主雷を採集(雲にのってる)
3ランク 雷採集所の雷雲予測士(アフロ)
4ランク 雷飼い(雲に乗ったアフロ)
性質や性格での向き不向きで、どのランクまで上がるかが決まるが、上下関係はない。
一目でどの仕事をしているかわかるよう、1、2ランクはつばが下向きのシルクハットのような帽子、3ランクと4ランクは角付きアフロの帽子をかぶる。
角付きアフロについては、地球での情報がどこからか何かしら伝わったものと思われるが、正確な由来は不明である。
ちなみに雷飼いが扱う雷雲たちを瓶詰してみた過去もあるが、もともと群れを形成する生物のため
単体だと不安や寂しさから泣きだして電力が安定しないためこの方法での電力の流通は断念された。
大切に育ててくれること、雷雲がしっかり懐くことを条件に譲ってくれる店があるにはあるが
多すぎると管理しきれず、少ないと寂しくさせないことが大変なため、引き渡された例は少ない。